セメント合着後の鋳造補綴インプラント上部構造の皮膜厚さと維持力
2008/02/28
04.セメント合着後の鋳造補綴インプラント上部構造の皮膜厚さと維持力
Retention Forces and Seating Discrepancies of Implant-Retained Castings After
Cementation
Mona Wolfart,DMD/Stefan Wolfart,DMD/Matthias Kern,DMD,PhD
セメント合着後の鋳造補綴インプラント上部構造の皮膜厚さと維持力:
目的:セメントの種類によってあるいはセメントの使用法によって、浮き上がりや維持力に差が出ないかを検討することである。 材料および方法:ユージノールフリーの酸化亜鉛セメント、燐酸亜鉛セメント、グラスアイオノマー、ポリカルボン酸セメント、レジンセメントを用いた。鋳造物の内面を完全にセメントで覆う方法と半分だけ覆う方法を検討した。アバットメントは鏡面研磨のものと表面をエアーアブレージョンしたものの2種を検討した。
結果:いずれの方法でもマージンのセメント厚さは変わらず、ポリカルボン酸が最大の維持力を示したが、酸化亜鉛と燐酸亜鉛/グラスアイオノマ群とポリカルボン酸/レジンセメント群の間には統計学的有意差を認めた。
全面コーティングであっても、半分のコーティングであってもいずれのセメントにおいても差は認めなかった。エアーアブレージョンはいくつかのセメントでは維持力向上に有効であった。
結論:いずれのセメントにおいても鋳造物の内面の半分をセメントでコーティングする方法は、全面コーティングと維持力の差を認めなかった。エアーアブレージョンはセメントによっては維持力を向上させた。伊藤抄