成人骨髄由来のヒト間葉系前駆細胞の分化が与える骨—インプラント間での初期骨合成に与える関係
2008/02/25
01.成人骨髄由来のヒト間葉系前駆細胞の分化が与える骨—インプラント間での初期骨合成に与える関係SchweizMonatsschrZahnmed. 2007;117(9):906-10.
*Surface-induced modulation of human mesenchymal progenitor cells. An in vitro model for early implantintegration.BaschongW, Jaquiery C, Martin I, Lambrecht TJ.
Klinik fur zahnarztliche Chirurgie, -Radiologie, Mund- und Kieferheilkunde, Universitatskliniken furZahnmedizin Basel. werner.baschong@unibas.ch
インプラントの表面性状が骨結合に大きな影響を与えることは臨床経験上理解で きる。これらのことは未分化細胞や骨髄細胞由来の骨原性のマーカーと関係があ ることが分かっている。筆者らは成人骨髄由来のヒト間葉系前駆細胞の分化が与える骨—インプラント間での初期骨合成に与える関係などの影響について検討し ている。機械研磨のチタンと酸処理のチタンとの間で検討している。結果として は7日間から14日間の間では細胞密度に変化がなかった。細胞数に関しては酸処理したチタンの方が多く表面積に比例していることが考えられた。アルカリフォ スファターゼ(ALP)は基質では変化がなかったが、骨シアロタンパク質は14日以後において酸処理群において10倍mRNAの発現量が多く認められた。酸表面処理 群は前駆細胞内のBSP上昇は細胞分化が早いことにより説明できる。したがっ て、臨床的にも早期のインテグレーションや、より早い荷重が行えることになろう。チタン表面性状と骨結合の関係はすでに酸処理が良好な結果を招くことは、 多くの報告からも分かることであるが、今後は更なる処理を加えることが、より 良い結果を招くかを議論して行くことになるだろう。