自家骨をメンブレンで覆うエビデンス
2008/02/25
11.自家骨をメンブレンで覆うエビデンスInt J Oral MaxillofacImplants. 2007May-Jun;22(3):390-8.Click here to read
Is there evidence that barrier membranes prevent bone resorption in autologous bone grafts during the healingperiod? A systematic review.
Gielkens PF, Bos RR, Raghoebar GM, Stegenga B.
Department of Oral and Maxillofacial Surgery, University Medical Center Groningen, University of Groningen,Groningen, The Netherlands.
自家骨移植は骨欠損に対する骨移植の術式としては標準的な方法であるといえる。メンブレンによって自家骨を覆う(GBR)は続いて起こる吸収を防ぐことを期待する。GBRは臨床的に非常に良い結果をもたらしている。しかし合併症やコストがかかるなど不利な点も否めない。しかしながら最も重要なことは結果をコントロールしづらいことである。本論文の目的は自家骨オンレーグラフトにメンブレンを用いることにより骨吸収を防ぐことのエビデンスの評価をおこなっている。ヒトと動物合わせて182の文献から検索している。ほぼ全ての著者がメンブレンを用いることにより骨吸収を防ぐことにエビデンスがあると述べている。しかしこれらを結論付けることは難しく、動物実験ではエビデンスを認めるかもしれないが、ヒトに関しては困難であるとしている。ほとんどの実験データは検体数が小さすぎる。さらに骨移植部位の隔離が上手くなされておらず、有意差を検討するには曖昧すぎる懸念がある。結論としては現時点では自家骨をメンブレンで被覆することにより骨吸収を防ぐということはエビデンスがあるとは言い切れないとしている。自家骨移植にメンブレンを併用することは無いが、多くのケースで骨吸収してしまうのは経験上避けられないと考えられていたことなので、今後もメンブレンの併用についても検討の余地があり、エビデンスがあるならば使用をしていくべきであると思われる。