インプラント周囲炎サイトカイン
2008/02/25
04.インプラント周囲炎サイトカインInt J Periodontics Restorative Dent. 2006 Apr;26(2):135-41.
Immunohistochemical evaluation of inflammatory mediators in failing implants.Konttinen YT, Lappalainen R,Laine P, Kitti U, Santavirta S, Teronen O.
Department of Medicine/lnvartes Medicin, Helsinki University Central Hospital, Finland.yrjo.konttinen@helsinki.fi
脱落しつつあるインプラント周囲組織では、破骨細胞を制御するサイトカインが活性化している可能性がある。そこで脱落しつつあるインプラント周囲組織あるいは歯肉を採取し、検体に供するともに、慢性歯周炎と健全な歯肉を採取し免疫組織化学的に比較検討した。検討したサイトカインはα腫瘍壊死因子(TNF-alpha)、アルファ1インターロイキン(IL-1alpha)、IL-6、血小板由来成長因子A、変異成長因子アルファ(TGF-alpha)である。これらのサイトカインは異物巨細胞、大食細胞、線維芽細胞や上皮細胞に認められる。インプラント周囲炎や慢性歯周炎ではTNF-alpha,IL-1alpha,IL-6が有意に上昇していた。一方でPDGF-AとTGF-alphaは上昇しなかった。結論として、破骨細胞を活性化するサイトカインはインプラント周囲炎でも慢性歯周炎でも認められた。しかしプロファイルが異なり、インプラント周囲炎ではIL-1alphaがもっとも強い影響を持ち、慢性歯周炎ではTNF-alphaがもっとも一般的であった。これらのサイトカインが破骨細胞の活性化をもたらしインプラント周囲骨の喪失とインプラントの脱落を招くものと考えるので、サイトカイン刺激物質をターゲットとした局所治療の開発が有効であろう。伊藤抄